イギリスの小学校で英語はどう教えている?
気になりませんか?
お越しいただき、ありがとうございます^^
イギリスで子育てをして7年目を迎えているライターの「愛梨」です。
子供は2歳半から幼稚園に通い、4歳(5歳になる年)から小学校に入りました。
私自身は日本生まれの日本育ちなので、色々と教育の違いが見られて面白いです。
- 英語圏の母国語学習方法
- イギリスの小学校の実態
- サポート体制の違い
一体英語圏の子供達はどうやって母国語を身に着けているのか、少しご紹介します。
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フォニックスってなに?
イギリスでの英語教育は、まずは、フォニックス(Phonics)から始まります。
アルファベットを”エイ”、”ビー”、”シー”と読むのではなく、
”ア”、”ブッ”、”クッ”(カタカナに置き換えるとまた違うんですが、あくまでイメージで)と読みます。
フォニックスとは、スペルと発音の規則性を覚える音声学習法で、
この学習法に則ってアルファベットとその組み合わせの発音を徹底して覚えていきます。
小学校に入ると、まず全てのアルファベット26文字をフォニックスで発音練習。
一文字ずつ発音を覚えたら、今度はダイグラフDigraphといって、2文字の組み合わせの発音を、
そして次はトライグラフTrigraphといって、3文字の組み合わせの発音を覚えていきます。
Trigraphトライグラフの例: nth, sch, scr, shr, spl, spr, squ, str, thr
フォニックスを学びつつ、書く練習の方はまずアルファベットの文字の練習に始まり、
フォニックスで習った発音の入った単語をどんどん書いていきます。
同じように、フォニックスのフェーズに合わせた音読用の本があり、読む練習も並行して進みます。
Trigraphが始まってまもなく、学年が一つ上がりYear1が始まります。
小学校2年目のYear1 でもフォニックスが続きます。
1年目に無かったもう少し複雑な組み合わせが入ってきます。
私の子供は、2年目になると大分読み書きも発音も慣れてきて、色んな本を読めるようになり、自分で作った文章も書けるようになりました。
小学校に入る頃まで、英語が日本語訛りだと言われていましたが、この頃にはすっかりネイティブな発音になりました。
ライティングとリーディング
Year1から、フォニックスとは別にEnglishという授業が始まります。
余談ですが、イギリスでは全国的に学校のカリキュラムが枠として決められていますが、
実際に何をやるかは学校に委ねられています。
認定された教科書というものも存在しないので、隣の学校と自分の学校では、
同じ教科でも使う教材や教え方が全然違うということもあり得ます。
英語とフォニックスを別の呼び方で授業を区切る私の子供のような学校もあれば、
英語と大きく呼ぶ中にフォニックス、リーディング、ライティングを全て括る学校もあると思います。
夫に小学校のカリキュラムの話を聞くと、自分の学校はいい学校ではなかったから、
あれとこれはやらなかったけど、他の友達はそういうのを全部やった人が多いというような話が出てきます。
というわけで、自分が小学校でやったことと自分の子供が小学校でやっていることを単純に比較することが出来ないということもあったりします。
話を戻して、Englishでは主にライティングとリーディングにフォーカスします。
ライティングでは、複数形、比較形、過去形、進行形など、現在形と形式の違うあらゆる変換を学んだり、
フォニックスで既に習った綴りを含む新しい単語、大文字・小文字の違いを覚えるところから、
口頭で話した簡単な文章をノートに書き落としたり、「?」「!」「,」「.」の使い分けを学んだりと、様々なことがスタートします。
リーディングでは、読むことに慣れ親しむことをメインに進められ、そこから少し発展して読んだ本の内容について理解したことを話し合ったり、
自分の考えを言葉で表したり、あらすじを説明したりとストーリーの読解を元に、色々なアクティビティが行われます。
サポートが手厚いイギリスの小学校
また、この頃からクラスの中で習熟度別に違った課題に取り組むことも始まります。
イギリスの小学校は一クラスに最多で30人、多くくの学校が学年ごとに1~2クラスです。
4クラス以上の学校は、これまで聞いたことがありません。
時代の差もありますが、私の小学校は1クラス40人で学年毎に10クラスだったので、この違いに驚きました。
私の子供は学年1クラスの学校に通っています。
6年生までクラス替えがありません。
クラス替えのない小学校生活、正直私には違い過ぎて想像が出来ません(笑)
クラスには教師1人にティーチングアシスタントが2~4人つきます。
教師が授業をリードする周りでティーチングアシスタントが生徒をサポートします。
30人の生徒に先生やアシスタントが4人程いる、40人の生徒を教師一人が見ていた私の経験とはまるで違います。
こういった違いで、習熟度別に違う課題に取り組むことが可能になるワケです。
イギリスの学校のルール
イギリスの学校では長期の休みを取る時は学校の許可が要ります。
許可のないまま休みを取ると、除籍になったり罰金を課せられたりします。
これはクラス内の学習進度を大幅に開かせないためです。
イギリスは違う文化、違う国籍、違う言語が多く混ざった環境で、家族親族が強く結束し、
宗教的なイベントや冠婚葬祭などで家族の集まりを他よりも重んじる人々もいます。
以前はそういった人々が家族の会合を理由に1か月以上休みを取ることもあり、
クラスの学習進度が引きずられてしまったそうで、現在ではそういった許可制や罰則がを設けられたようです。
全体の学力低下を避ける為の制度がある一方、習熟度によって取り組む内容を少し調整し、
先に進める学生の足を止めず、遅れ気味の学生には必要なサポートをする。
公立学校でも、そんな細かい体制が組まれていることに感心します。
私立学校では、一クラスの人数が更に少ない所が殆どで、それぞれの進度に合わせて手厚いサポートが施されているようです。
どんな教科書を使うの?
私の知る限り、イギリスの学校、少なくとも公立校では、日本のように教育委員会から認定されたような指定の教科書は存在しません。
殆どが先生のPCからプロジェクターで映し出されたものや、本などが教材となります。
YouTubeやBBCなども使われます。
これは英語のみならず、算数やサイエンスなどでも同様です。
プリントされた本のコピーなど、教材として使った本などのコピーを持って帰ってきたこともありません。
一応学校指定のカバンはあるものの、薄っぺらくて、日本のランドセルのように6年間使いきれる丈夫なカバンとは程遠い代物です(笑)
持ち運ぶものは、学校で作った自分の作品や、自分でデザインしたもの、連絡ノートだけなので、丈夫である必要もなかったりします。
はじめの3年間は筆箱すら不要で、全て学校のものを使用します。
まとめ
イギリスの英語教育と小学校事情についてお伝えしてきましたが、いかがでしたか。
日本の友達と話をしていても、いつもその違いに驚いているようです。
日本が遅れているとかイギリスが進んでいるなどと単純に比べてしまうと、双方のメリットが見えなくなります。
日本には日本の良さがありますからね^^
なので、日本との違いや時代の違いも含めて、色々な点が見えて面白いね♪くらいに思っていただければ嬉しいです。
ライター
イギリス在住の「愛梨」が執筆しました。